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韓国ゲーマーはどこでプレイしているのか?: 韓国ゲーム市場における主プラットフォーム選択と消費行動の分析

韓国ゲーマーが主にどのプラットフォームでゲームをプレイしているのかを分析すると、韓国のゲーム環境はいまなお PC とモバイルを二大軸とする構造の上に成り立っていることがわかる。本分析は、複数回答ではなく 「主に利用するゲームプラットフォームを1つだけ選択」する形式で設計されており、各ゲーマーが認識する最も代表的なプレイ環境を明確に捉えている。



韓国ゲーム市場の主プラットフォーム構造:PCを中心とした安定的優位


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全体結果を見ると、韓国で最も多く選ばれた主プラットフォームは PCパブリッシャーランチャー(33.0%)であった。これに PC Steam(16.1%)を加えると、回答者の約半数が PC を主なゲームプラットフォームとして認識していることになる。これは、PCゲームが依然として韓国ゲーム市場の中核を成していることを明確に示している。

モバイルプラットフォームは第2の主要軸を形成している。**Apple App Store(iOS)が25.6%、Google Play(Android)が16.5%**で、合計すると40%以上がモバイルを主プラットフォームとして選択している。一方、**Nintendo Switch(5.6%)**や PlayStation(2.8%)といったコンソールは相対的に低い比率にとどまり、**PCハンドヘルド・UMPCは0.4%**と、依然としてニッチな存在である。

総じて、韓国ゲーム市場は PCとモバイルを中心とした安定的なプラットフォーム構造を持ち、コンソールや新型デバイスは補完的な位置にあると言える。



年齢層別に見る主プラットフォーム選択の違い


この全体構造を年齢層別に見ると、単なるデバイス嗜好ではなく、ライフステージやゲーム習慣によって形成された異なる利用パターンが浮かび上がる。


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18〜22歳:PCとモバイルの並行利用

18〜22歳のゲーマーでは、主プラットフォームの選択が分散型となっている。**iOS(33.3%)**と PCパブリッシャーランチャー(32.7%)がほぼ同水準で、PCとモバイルのいずれかが明確に優位という状況ではない。さらに PC Steam(16.4%)、**Google Play(11.9%)**が続き、4つの主要プラットフォームが比較的均等に分布している。

この結果は、この年齢層において PC が特定タイトルへの長期没入環境というよりも、モバイルと並行して文脈的に使い分けられるプラットフォームとして機能していることを示している。PC内部でもランチャーとSteamの差は小さく、単一エコシステムへの固定よりもタイトル探索と移動が特徴的である。


23〜27歳:明確なPC集中型構造

23〜27歳では、主プラットフォーム選択が明確にPCへ集中する。**PCパブリッシャーランチャー(35.8%)**と PC Steam(24.5%)を合わせると60%を超え、全世代で最も高いPC集中度を示す。

特にランチャーがSteamを11ポイント以上上回る点は重要で、この世代のPC利用が探索中心ではなく、特定のゲームやIPへの深い関与によって構成されていることを示唆する。この層においてPCは、数ある選択肢の一つではなく、中核的なゲーム環境である。


28歳以上:マルチプラットフォーム共存型

28歳以上では異なる構造が見られる。**PCパブリッシャーランチャーとGoogle Playがともに31.5%**で首位となり、iOS(11.0%)、**PC Steam(9.6%)**が続く。さらに Nintendo Switch(9.6%)、**PlayStation(6.8%)**といったコンソールの存在感も高まる。

これは、PC・モバイル・コンソールがそれぞれ異なる役割を担うマルチプラットフォーム共存モデルを示している。PCは深い没入と状況依存的なプレイの両方を担う存在となっている。

総括すると、全世代に共通してPC中心構造は維持されているものの、18〜22歳は並行型、23〜27歳は集中型、28歳以上は分散型マルチプラットフォーム構造という明確な違いが見られる。



プラットフォーム別課金体験と消費行動


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プラットフォーム利用に加えて課金行動を見ることで、韓国ゲーム市場の消費構造はさらに立体的になる。全体の 64.6%が課金経験ありと回答しており、課金はもはやコアユーザーに限定された行動ではない。一方で 35.4%は無課金であり、課金・非課金ユーザーの共存構造は維持されている。

主プラットフォーム別に課金者の月平均支出額を見ると、明確な差が現れる。モバイルでは iOSが27,000ウォン、Androidが26,000ウォンと、比較的穏やかで安定した水準である。

一方、PCでは Steam・パブリッシャーランチャーともに54,000ウォンと、モバイルの約2倍に達する。これはPCゲームがより深く、継続的な課金行動と結びついていることを示す。

コンソールは平均額が最も高く、Nintendo Switchが85,000ウォン、PlayStationが65,000ウォンとなった。課金者数は少ないものの、高単価消費傾向が確認できる。




結論:プラットフォーム選択はゲーム消費の在り方を規定する


本分析から、韓国ゲーム市場は PCとモバイルを基盤とした安定構造の上にありつつ、年齢層によってプラットフォーム選択と課金行動が大きく異なることが明らかになった。プラットフォームは単なるアクセス手段ではなく、プレイの深さや消費強度を規定する要因として機能している。

その意味で、主プラットフォームはゲーマーの消費スタイルを示す重要な指標である。これらの構造的差異を理解することは、今後のゲーム設計、マーケティング戦略、ライブサービス運営を考える上での重要な出発点となる。




Data Source: Direct Research Korea panel, n=285 (Male 59.3%, Female 40.7%)

Online Fieldwork: Dec 3–5, 2025

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